富士山噴火を鎮めた河口浅間神社。七本杉と御利益

山梨県
河口湖から見た富士山の夕景

せっかく河口湖近くに宿泊したのなら、河口浅間神社に参拝しておこう。

『神玉』と『神紐』を集めるきっかけとなった山中諏訪神社の宮司さんから、富士山周辺では最強のパワースポット神社としてオススメして下さったのが、河口浅間神社なのだ。ただしこちらの神社は富士山周辺の神社7社でGetできる神玉巡拝には参加していない。

孤高の姿勢を貫く美学に感銘を受けて、なおさら行ってみたくなった。

しかも近くには富士山の遥拝所・天空の鳥居も存在するらしい。

トリビアをひとつ紹介しよう。他の浅間神社とは決定的に違う点。

『河口浅間神社』の読み方は『かわぐちあさまじんじゃ』。

な~んだ。ただそれだけかと思うかも知れないが、他の『浅間神社』はすべて『せんげんじんじゃ』と読むのだ。

こういう所にも、何か他とは違う魅力を感じるのだ。

では行ってみよう。

まずは営業時間のチェックから。

河口浅間神社の営業時間

河口浅間神社の営業時間

午前9時~午後4時まで。

別に午前8時にも参拝可能だし、午後4時過ぎても大丈夫なのだが、

営業時間内でないと御朱印はもらえない。

神社なので、“営業時間”なんて言葉は適切ではないのは十分に承知している。

分かりやすいのでこの漢字四文字を使用しているので、御容赦のほどを。

河口浅間神社のアクセス

最寄りの鉄道の駅は富士山麓電気鉄道富士急行線の河口湖駅。

そこから歩くとかなり時間がかかるので、バスがオススメ。

富士急バス甲府線・河口湖バス停~河口局前バス停下車。

乗車時間は20分ほど。運賃は350円。

マイカーなら中央自動車道の河口湖ICから30分は覚悟しておいた方が良いと思います。

住所:山梨県南都留郡富士河口湖町河口1

電話:0555-76-7186

河口浅間神社の駐車場

こちらが河口浅間神社の駐車場の写真。

前面アスファルト。もちろん無料。

自動車12台分、バス2台分の駐車枠があった。

手前の枠外へ駐車してもさほど問題にはなりそうにないので、自動車なら30台ほどは駐車可能かもしれない。

ここから東へ150mほど歩くと本殿にたどりつく。

いざ。

河口浅間神社入口

こちらの入口を進むと。

河口浅間神社の鳥居01

鳥居のお出迎えを受ける。

河口浅間神社の鳥居02

参道には杉並木が。

800年以上もの歴史を誇る杉並木。

11本中、杉の木は10本。ヒノキが1本だけ存在する。

樹高は45m。ちなみに初代ウルトラマンの身長は40mという設定だったので、ウルトラマンよりもデカイ!

ウルトラ杉並木と名付けたいところだが、円谷プロからクレームが来そうなので、やめておこう。

外国人観光客とすれ違った。

「スバラシイ!」

杉並木から山門を振り返って、絶賛してくれた。

“Have a nice trip.”

“You,too”

単純な会話だが、見ず知らずの異国の人と心が触れ合えた気がした。

河口浅間神社の波多志神

杉並木の続く参道の中央に波多志神が祀られている。

『波多志』と書いて『はたし』と読む。渡来人として『秦氏』は古代の日本に様々な大陸の技術を伝えたと言われている。徐福伝説にもかかわりがあるとのこと。『徐福』については日本のあちこちにその伝説が残っている。機会があれば触れてみたいと思う。

河口浅間神社の随神門

いよいよ随神門が近づいてきた。

午前9時だ。後ろを振り返る。参拝者は他にいないようだ。

なんだかご利益を独り占めしたような雰囲気で、嬉しくなってくる。

それにしても、先ほどの外国人観光客はなぜこんなに早くに参拝していたのだろうか?

しかもこう言っては申し訳ないが、河口湖周辺ではややマイナーなこの神社に。不思議だ…

河口浅間神社の手水

手水舎で両手を洗い、口をすすぐ。

河口浅間神社の神馬社

随神門をくぐってすぐ左に神馬社がある。

競馬の神様ではないので、ギャンブル運上昇を祈ったところで、御利益があるかどうかは定かではない。

河口浅間神社の拝殿

貞観六年(西暦864年)5月、今から1200年近くも前に富士山の西北峰で大噴火が発生した。

世に言う貞観大噴火だ。

河口浅間神社拝殿内の巨大な提灯

翌年になっても噴火はおさまらず、住民にも甚大なる被害が及んでいたため甲斐ノ国の国司・橘ノ末茂公が朝廷に具申。勅命によって鎮火の神として浅間明神をこの地に祀ったそうだ。

富士山噴火を鎮めた途方もないパワーを秘めた神社ということになる。

ご存じの通り、富士山はいつ噴火してもおかしくはないのだが、そのように言われてからもなかなか噴火しないのは、この神社のご利益なのだと思っている。

祭神は木花咲耶姫命(このはなさくはやひめ)

河口浅間神社の拝殿から本殿をうかがう

貞観七年(西暦865年)12月9日。河口浅間神社が創建された日。

ただし元の社殿は富士山を拝む方向に建立され、現在の社殿より山の手に鎮座されていたそうだ。

美麗石

美麗石は拝殿の前に鎮座。

『美麗石』と書いて、『ひいらいし』と読む。

浅間明神を祀った古代祭祀の石閣の一部。

その建造物の美しさや色彩たるや、言葉では言い表せないほどだったそうだ。

ぜひCGで再現してもらいたい。

河口浅間神社の拝殿(左)と本殿(右)

なお、貞観大噴火は貞観六年(西暦864年)5月に始まり、貞観八年(西暦866年)になっても続いていたとのこと。

もちろんそれまでにも富士山の大規模な噴火はあったはずだが、文献として記録に残っているのものとしては最大規模の噴火だ。

令和の今の時代に、このように大規模な富士山噴火が発生すると富士山周辺だけではなく、首都圏にも甚大なる被害をもたらしそうな気がする。

河口浅間神社の七本杉

河口浅間神社の七本杉を紹介していこう。どれも山梨県指定の天然記念物だ。

河口浅間神社の1号杉

1号杉=御爾杉(みしるしすぎ)。母衣懸杉(ほろかけすぎ)ともよばれる。

御神徳=開運・子宝

根廻り幹囲=13.30m

地上高1.5mの幹囲=6.85m

樹高=46.00m

位置=拝殿に向かって、右手前。

手前から2号、3号、4号の順番

2号杉、3号杉、4号杉の3本は、いずれも出雲社の南側にそびえている。

2号杉=産謝杉(さんしゃすぎ)。産屋杉(うぶやすぎ)ともよばれる。

御神徳=安産・子育て

根廻り幹囲=9.65m

地上高1.5mの幹囲=7.10m

樹高=46.00m

3号杉=齢鶴杉(れいかくすぎ)。齢棒杉(れいぼうすぎ)ともよばれる。

御神徳=健康・長寿

根廻り幹囲=12.48m

地上高1.5mの幹囲=6.82m

樹高=46.50m

4号杉=神綿杉(しんめんすぎ)。献虫巣杉(けんちゅうすぎ)ともよばれる。

御神徳=仕事・金運

根廻り幹囲=18.65m

地上高1.5mの幹囲=7.50m

樹高=47.00m

5号杉と6号杉

本殿の西側に仲良く並んでいる。

両柱杉(二柱杉)、男女杉とも言われている。

5号杉と6号杉02

伊邪那岐命(いざなぎのみこと)と伊邪那美命(いざなみのみこと)の二柱の神。

良縁・縁結びの杉。

5号杉=男・父杉(かぞすぎ)。

御神徳=禳災・讃命

根廻り幹囲=18.30m

地上高1.5mの幹囲=8.65m

樹高=47.50m

5号杉と6号杉03

6号杉=女・母杉(いろすぎ)。

御神徳=禳災・讃命

根廻り幹囲=15.50m

地上高1.5mの幹囲=7.30m

樹高=42.50m

7号杉01

7号杉=天壌杉(てんじょうすぎ)・御柱杉(みはしらすぎ)とも言う。

御神徳=心願・学業成就

根廻り幹囲=30.00m

地上高1.5mの幹囲=8.10m

樹高=43.00m

7号杉の根元はド迫力!

河口浅間神社の摂社・末社

諏訪社…安産・子授かりに御利益。

山神社…祭神は大山祇命。木花開耶姫命の父神にあたる。

出雲社

出雲社…祭神は大国主命。縁結びの神様。

合祀社…明治9年に発令された勅令によって、村内の小規模神社を合祀。

拝殿のすぐ左側にある。

拝殿前の池。

河口浅間神社の狛犬

神社参拝の際には必ず写真におさめる狛犬。

河口浅間神社の狛犬01
河口浅間神社の狛犬02

どちらも拝殿前にて。

母の白滝神社

河口浅間神社の本殿から徒歩で山を登っていくこと約30~40分で

母の白滝へ到着する。近くに駐車場あり。10台駐車可能。

こちらはまたの機会に。

母の白滝神社

河口浅間神社近くの天空の鳥居

富士山を真正面に仰ぐことが出来る天空の鳥居。

実はこちらの鳥居は、河口浅間神社とは縁もゆかりもない。

敷地の持ち主が、あまりにも見晴らしが良いとのことで、鳥居を立てて富士山を鑑賞できるようにしてくれたとのこと。

こちらもまたの機会にブログで紹介したい。

河口浅間神社の本殿から徒歩25分~30分ほどで到着する。

途中の道幅は狭いので注意が必要。

駐車場は5台。

営業時間は午前9時から午後4時まで

天空の鳥居

河口浅間神社の公式ホームページ

河口浅間神社

祭神:木花咲耶姫命(このはなさくはやひめ)

御神徳:安産・縁結び・育児・奨学・裁縫・家内安全・商売繁盛

住所:山梨県南都留郡富士河口湖町河口1

電話:0555-76-7186

時間:午前9時~午後4時

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