伊勢神宮の外宮へ参拝したら、正宮だけで帰ってしまうのは少しもったいない気がします。
境内を歩いてみると、三ツ石や亀石をはじめ、風宮、土宮、多賀宮、下御井神社など、少し足を延ばした先にも見どころがたくさんあります。
さらに、知る人ぞ知る『隠れハートの石』や『寝地蔵石』などなど…。
地図を見ながら探したくなる場所にも出会います。
そして今回、寝地蔵石に参拝していた地元の方から、さらに秘密の場所を教えていただきました。
その方がわざわざ案内してくださり、一緒に歩いて向かったのが、この記事で「パワースポットの樹」と呼んでいる一本の樹です。
以前にも外宮には参拝していましたが、当時はこうした場所をほとんど意識せずに通り過ぎていました。
そこで今回は、私が実際に歩いた順番に沿って外宮をご案内します。
この記事は「外宮について勉強するための記事」というより、スマートフォンで地図と写真を見ながら、
「あった。ここだ」
と探して歩いてもらうために書いてみました。
それでは火除橋から歩いてみましょう。
まずは地図で外宮の全体像を確認

【写真:外宮全体MAP】
外宮の中心となるのは、豊受大御神をお祀りする正宮・豊受大神宮です。
豊受大御神は天照大御神の御饌都神としてお祀りされ、外宮には正宮のほか、多賀宮・土宮・風宮などが鎮座しています。
今回私が歩いた順番はこちらです。
⓪火除橋 → ①手水舎 → ②清盛楠 → ③正宮 → ④川原祓所(三ツ石) → ⑤亀石 → ⑥ハート石 → ⑦風宮 → ⑧土宮 → ⑨多賀宮へ続く石段 → ⑩寝地蔵石 → ⑪多賀宮 → ⑫下御井神社 → ⑬「パワースポットの樹」 → ⑭度会国御神社 → ⑮大津神社
このあと御朱印をいただき、最後に勾玉池(まがたまいけ)へ立ち寄りました。
それでは地図を見ながら、外宮をいっしょに参拝しましょう。
火除橋から正宮へ|まずは外宮の中心へ
⓪ 火除橋を渡って外宮へ

【写真:外宮表参道の火除橋】
外宮参拝のスタートは火除橋から。内宮とは違って外宮は左側通行です。
橋を渡ると、街中から神域へ入っていくように周囲の雰囲気が変わります。
なお、外宮には北御門側にも火除橋がありますが、表参道からスタートしたので、写真は表参道側の火除橋になります。
① 手水舎で身を清める

【写真:表参道の手水舎】

【写真:手水舎で手を洗い、口をすすぎます】
火除橋を渡ったら手水舎へ。
まずは手を洗って口をすすぎましょう。
② 清盛楠|最初から見逃したくない巨木
手水舎から正宮へ向かう途中、右側にひときわ大きな楠が目に入ります。
「清盛楠」と呼ばれる古木です。

【写真:清盛楠全景】
平清盛が勅使として外宮を訪れた際、楠の枝が冠に触れたことに怒り、その枝を切らせたという伝説から、この名前が付いたと伝えられています。

【写真:清盛楠の幹】
現在は二本の大木が並んでいるようにも見えますが、もともとは一株の楠とされています。
正宮へ急いでいると通り過ぎてしまいそうですが、ぜひ一度立ち止まって、その大きさを間近で見てみてください。
地元のコアな参拝者のみが知る“パワースポットの樹”。その樹については、のちほどお話しますね。
③ 正宮・豊受大神宮へ

【写真:表参道一の鳥居】
表参道一の鳥居をくぐって、正宮へ向かいます

【写真:表参道】
表参道の砂利をゆっくりと踏みしめて歩くと、心が落ち着きます。
いきなり御朱印をいただくのではなく、まずは参拝してから。

【写真:外宮の正宮】
正宮の鳥居の向こうは撮影禁止です。
スマホをかばんにしまい込み、やや緊張した面持ちで前へ進みました。
正宮(しょうぐう)にお祀りされているのは豊受大御神(とようけのおおみかみ)です。
約1500年前、天照大御神(あまてらすおおみかみ)の食事を司る御饌都神(みけつかみ)として丹波国から現在の地へ迎えられたと伝えられています。
感謝の気持ちを伝えようと、手を合わせたちょうどその時、
「御幌(みとばり)」が吹き飛ばされるんじゃないかと思うくらいの突風がこちらに吹いてきました。
御幌とは正宮の前に掛かっている白い布です。ふわりとめくれる、なんて生易しいものではありません。まさに突風です。
鳥肌が立ちました。
神社参拝では、こうして御幌が風でめくれることを「神様から歓迎されているサイン」と捉える話があります。
もちろん、これは神宮が公式に示している参拝の吉兆というわけではありません。
それでも実際にその瞬間に立ち会うと、神様から歓迎されているようななんとも言えないうれしさがありました。

【写真:正宮の参拝を終える頃、ちょうど朝日がのぼりはじめました】
三ツ石から亀石へ|ここから「探して歩く外宮」が始まる
④ 川原祓所(三ツ石)|手をかざす場所ではありません
正宮を参拝したあと、三ツ石へ向かいました。
この石に手をかざしている参拝者を見かけることがあります。
読売テレビ「そこまで言って委員会NP」では、竹田恒泰さんがこちらの三ツ石について
「お祓いをした時の邪気を落とす石」
という趣旨の説明をし、拝まないよう注意を呼びかけていました。

【写真:三ツ石に手をかざさないで】
「パワースポットだから手をかざす場所」と思っていた方は、少し意外かもしれません。
三ツ石を見つけたら、決して手をかざしたり拝んだりしないようにしましょうね。

【写真:竹田恒泰さんも注意喚起した三ツ石】
⑤ 亀石|知らなければ普通の橋として渡ってしまう
多賀宮(たかのみや)方面へ向かうとき、右手に池を見ながら橋を渡ります。
そこで足元を見てください。
気づきましたか?

【写真:亀石はほとんどの人が気づかずに通り過ぎてしまいます】
実はこれ、私も以前の参拝ではほとんど意識せずに通っていました。
上の写真を見る限りではチンプンカンプンだと思います。
ではアングルを変えてみましょう。

【写真:外宮の亀石】
すると、あら不思議。
亀の形に見えるでしょ?
ちょっと強引すぎますかね?
ただし伊勢神宮公式でも、多賀宮は「御池にかかる亀石を渡り、98段の石段を上った小高い丘の上」に鎮座すると説明されています。
つまりこの亀石をは伊勢神宮も公式に認めてるわけです。
踏みつけて良いのかどうか、ためらいつつ…
でも踏んづけないと前へ進めないのであまり気にしないようにしましょう(笑)。
風宮・土宮・多賀宮へ|ハート石と寝地蔵石も探してみよう

【写真:多賀宮エリアMAP】
ここからは、この拡大MAPを見ながら歩いてみてください。
亀石を渡った先に風宮(かぜのみや)と土宮(つちのみや)があり、さらに奥へ進むと多賀宮(たかのみや)と下御井神社(しものみいのじんじゃ)があります。
そして、この一帯でぜひ探してみてほしいのが「ハート石」と「寝地蔵石」です。
⑥ ハートの石|伊勢神宮の隠れハート
進行方向に向かって左手に風宮が見えますよね?
その石垣を注意して見てみましょう。
お気づきになられましたでしょうか?

【写真:ハート石は風宮の石垣に】
『ハートの石』、『ハート型の石』、『隠れハート』などなど、特に決まった名前はありません。
いったい、いつの頃からこの石があるんでしょうね。
最初に発見した人ってスゴイですよね。

【写真:ハートの石の拡大写真】
こちらは先ほどの亀石と違って、外宮が公式に認めているわけではないようです。
でもこういう小さな発見があると、境内を歩くのが一気に楽しくなりますよね。友達にも教えてあげましょう。
しかも外宮の不思議な撮影スポットはまだまだあるんですよ。
⑦ 風宮(かぜのみや)
ハート石を見つけたその流れで、風宮に参拝します。

【写真:風宮全景】
風宮には、文字通り風を司る級長津彦命(しなつひこのみこと)と風の女神・級長戸辺命(しなとべのみこと)がお祀りされています。

【写真:風宮に参拝】
内宮の別宮・風日祈宮(かざひのみのみや)と同じ御祭神です。
⑧ 土宮(つちのみや)

【写真:土宮】
続いて風宮の向かいに鎮座する土宮(つちのみや)へ。
土宮にはその土地を守る地主神(じぬしのかみ)である大土乃御祖神(おおつちのみおやのかみ)が祀られています。
外宮の別宮では実は唯一、東を向いています。
⑨ 98段の石段を上って多賀宮へ
ここから景色が変わります。
目の前に現れるのが、多賀宮へ続く長い石段です。
段数は98段。

【写真:多賀宮へ続く石段】
写真で見ても長いのですが、実際に下から見上げるとなかなかの迫力があります。
急がず、自分のペースで上ってください。
ただし、目的地だけを見て上ってしまうと、もうひとつの面白い石を見逃すかもしれません。
⑩ 寝地蔵石|多賀宮の近くで見つけました
長い石段を上り切り、右へカーブするように進むと多賀宮(たかのみや)が見えてきます。
今からお伝えする寝地蔵石も亀石と同様、ほとんどの参拝客は気づかずに通り過ぎていきます。

【写真:多賀宮の目の前に鎮座する寝地蔵石(左手前)】
こちらが「寝地蔵石」と呼ばれている石です。
じっと眺めてみてください。

【写真:寝地蔵石アップ】
アングルを変えるとお地蔵様のような姿に見えてきました。
誰かが寝地蔵石の上に、お賽銭をそっと乗せていました。
私がこの寝地蔵石にたどり着いたとき、既に地元の女性が先に手を合わせていました。
毎朝外宮に参拝しているというこの女性に、秘密のスポットを教えてもらいました。
そのお話はまた後ほど。
⑪ 多賀宮|外宮第一の別宮

【写真:多賀宮は98段の石段をのぼった先に鎮座しています】
石段の先に鎮座するのが多賀宮です。
多賀宮(たかのみや)は豊受大御神の荒御魂をお祀りする外宮第一の別宮。正宮に次ぐ大きさを持つ特別なお宮です。
亀石を渡り、風宮や土宮を巡り、98段の石段を上ってここまで来る。
地図を見ながら実際に歩くことで、外宮の奥行きが少しずつ分かってきます。

【写真:多賀宮を参拝】
⑫ 下御井神社(しものみいのじんじゃ)

【写真:下御井神社】
多賀宮の石段を一番下まで下ってから左へ曲がると、下御井神社が鎮座しています。
小さなお社なので、知らなければ通り過ぎてしまうかもしれません。
内部には井戸があり、祭典で御水をいただく上御井神社に不都合があった場合、こちらの御水がお供えされます。
地元の方に教えてもらった「パワースポットの樹」へ

【写真:外宮西側エリアMAP】
ここからは、一般的な外宮参拝とは少し違います。
ちょっと寄り道してみましょう。
寝地蔵石を参拝していたとき、地元の女性と知り合いました。
その方から、
「パワースポットの樹がある」
という話を聞いたのです。
しかも場所を教えてくれただけではありません。
わざわざ一緒に歩いて、樹のところまで案内してくださいました。
⑬外宮の「パワースポットの樹」

【写真:「パワースポットの樹」】
こちらが、そのとき案内していただいた樹です。
現地では、先ほどの女性と一緒に樹に触れました。
残念ながら触れているところの写真はありません。
地元の知る人ぞ知るスポットです。案内板があるわけではありません。
渡会国御神社や大津神社へ向かう道の途中、右側にあります。
せっかくなので探してみてください。
度会国御神社・大津神社まで歩いてみる
⑭ 度会国御神社(わたらいくにみじんじゃ)
『パワースポットの樹』をさらに西へ進み、度会国御神社へ。
度会国御神社では、外宮の神主家であった度会氏の祖神がお祀りされています。

【写真:度会国御神社】
正宮周辺に比べると、ここまで歩いてくる参拝者は少なく感じるかもしれません。
だからこそ、外宮の別の表情を感じられる場所でもあります。

【写真:度会国御神社を参拝】
⑮ 大津神社
少し先の大津神社へ。
大津神社では五十鈴川河口の守護神がお祀りされています。

【写真:大津神社は外宮の西の端に鎮座】

【写真:大津神社に参拝】
なおGoogleマップを見ますと、この先に上御井神社があるようです。そちらへ向かってみましたが一般の人は立ち入り禁止なので、そちらへ行くことはできませんでした。もちろん写真もありません。
正宮から始まり、三ツ石、亀石、ハート石、三つの別宮、寝地蔵石、下御井神社、そして「パワースポットの樹」。
ここまで歩くと、最初に火除橋を渡ったときとは、外宮の印象がずいぶん変わっていました。
外宮で白い神鶏に遭遇|これは吉兆かも?
外宮は小学校の修学旅行で初めて参拝。それからも何度も参拝してますが、
たった一度だけ白い鶏(にわとり)に出くわしたことがあります。

【写真:外宮で出会った白いニワトリ】
神様の使いともいわれている神鶏。
目の前に現れた白いニワトリを見た瞬間、
「これは吉兆かもしれない」
そんな気がして、ちょっとうれしくなりました。
神社を歩いていると、予定していなかった出来事に出会うことがあります。
突然風が吹いたり、鳥や動物が目の前に現れたり。
それを偶然と思うか、何かのサインと感じるかは人それぞれです。
でも、せっかく神社を訪れたのなら、そんな小さな出来事に心を躍らせるのも参拝の楽しみではないでしょうか。
もしあなたも外宮で偶然、ニワトリに巡り合えたなら、
「運がいい。幸運の吉兆かも」
そんな風に楽しんでみてください。
きっとそれも、外宮参拝の忘れられない思い出になると思います。
勾玉池へ寄ってから御朱印をいただく
最後に勾玉池へ
参拝を終える前に立ち寄った勾玉池(まがたまいけ)。
参拝した時は真夏だったので、百日紅(さるすべり)の花が咲いていました。

【写真:勾玉池】
名前の通り勾玉のような形をした池で、そのほとりには「せんぐう館」もあります。
境内をかなり歩いたので、最後にここで少しゆっくりするのもおすすめです。
外宮の御朱印
最後に御朱印をいただきました。

【写真:外宮の御朱印】
令和八年八月八日。
末広がりの『八』が3つ並ぶという、とても縁起の良い御朱印です。
今このブログを読んでいるあなたにも、幸せや素晴らしいことがたくさん降り注ぎますように。
外宮で出会えたら見てみたい二つの光景
外宮には、境内を歩くだけではなく、時間や日にちが合えば出会える特別な光景があります。
私が今回の参拝では撮影できなかったものも含め、次回ぜひ見てみたい二つを紹介します。
忌火屋殿|運が良ければ神饌を運ぶ光景も
正宮の近くにある忌火屋殿(いみびやでん)は、神様にお供えする食事「神饌」を調える場所です。

【写真:忌火屋殿】
外宮では毎日朝夕、神様に食事をお供えする祭典が続けられています。
運が良ければ、忌火屋殿から神饌が運ばれていく光景に出会えることもあります。
約1500年にわたって続いてきた営みを、実際に目の前で見ることができるかもしれません。
見かけたら、静かに見守りたい光景です。
御厩|次回は神馬に会いたい
外宮の御厩(みうまや)には、皇室から献上された神馬がいます。
ただし、いつでも会えるわけではありません。私が参拝した日も、残念ながら神馬の姿を見ることはできませんでした。
御厩の中を覗いてみても、たいていの場合、神馬を見ることはできません。

【写真:御厩】
ただし毎月1日・11日・21日の午前8時頃には、神馬が正宮へ参拝する「神馬牽参」が行われます。天候や神馬の体調によって中止される場合もあります。
神馬が外宮の参道を歩く姿は、ぜひ一度撮影してみたい光景です。
次回は日程を合わせて、神馬の撮影にチャレンジしたいと思います。
外宮は「正宮の先」を歩くと面白い
初めて外宮を訪れたときは、正宮を参拝することだけでも十分に意味があります。
私自身、過去の参拝では亀石や寝地蔵石などを意識せず、近くを通り過ぎていました。
しかし今回は地図を確認しながら、
三ツ石を見つけ、
亀石を渡り、
ハート石を探し、
98段の石段を上り、
寝地蔵石を見つけ、
さらに地元の方との出会いから「パワースポットの樹」まで歩きました。
同じ外宮なのに、以前とはまるで違う参拝になりました。
このブログをスマートフォンで開いたまま外宮を歩いてみてください。
写真と同じ景色を見つけたら、
「あった。ここだ」
と思ってもらえるはずです。
それが、このブログで一番伝えたかった外宮の歩き方です。
伊勢神宮 外宮についてよくある質問(FAQ)
Q. 外宮ではどこを参拝すればいいですか?
まず正宮を参拝し、時間があれば多賀宮・土宮・風宮なども巡ってみてください。この記事では三ツ石、亀石、ハート石、寝地蔵石、下御井神社なども含め、実際に歩いた順番で紹介しています。
Q. 亀石はどこにありますか?
正宮方面から多賀宮・風宮・土宮へ向かう途中にあります。亀石は御池にかかる橋になっており、伊勢神宮公式サイトでも多賀宮への経路として紹介されています。
Q. 三ツ石に手をかざしてもいいですか?
おすすめしません。伊勢神宮公式サイトでは、三ツ石は祭典に用いる場所なので、手をかざすことは遠慮するよう案内されています。
Q. ハート石や寝地蔵石は公式の見どころですか?
この記事では、現地で実際に確認・撮影した「探して歩く楽しみ」として紹介しています。公式の神宮案内とは区別して楽しんでください。
Q. 「パワースポットの樹」は伊勢神宮公式のパワースポットですか?
いいえ。このブログでは、参拝中に出会った地元の方から教えていただき、実際に案内していただいた樹を「パワースポットの樹」と表現しています。伊勢神宮が公式にパワースポットとして案内しているという意味ではありません。
